必要なところに、必要な支援をするには  〜北海道胆振東部地震から1週間 厚真町へ〜

地震から数日が経ち、やっぱり厚真に行ってできることがしたいと思ったのは、厚真に知ってる人が多かったから。

市町村で依頼していただく講座はだいたい1回なのですが、厚真町では去年は保育園・こども園で保護者対象・職員対象に講座させていただき、今年は児童館職員研修2回、1歳半健診・3歳児健診・就学時健診の待合のおもちゃコーナー設営と、毎月のように厚真町へ行く予定が入っていました。厚真町では脱メディアに力を入れていて、未就学を子育てしてるママにはスマホ育児ではなく子どもとのコミュニケーションを取ることの大切さを伝え、小中学校では専門家を招いて子どもたちに携帯のマナーを伝えたり、子どもたち自身がグループになってメディア依存について考える授業をしています。

メディアに関わる時間を減らした時、おもちゃやアナログゲームが大切だと深くご理解いただいて、年間何度もご依頼いただいているのです。一度限りではなく、時間をかけて子どもたちの育ちを一緒に考えてきた厚真町教育委員会の皆さんが、子どもたちと今本気で関わっている姿を見て、私はがれきの片付けは体力なくてできないけど、子どもたちとゲームで遊んで楽しい時間を過ごすこと、その後も継続して遊ぶことができるようにアナログゲームを寄付することはできるかもしれないと思いました。

もちろん迷惑にならないように現地入りできるように、事前に連絡はとりました。

そして、行くなら腐ることがないおむつやウェットティッシュなど新品の衛生用品に限り、「余ってる方は無理ない範囲でいただけますか?」と呼び掛けたところ、本当に皆さん「何か力になりたい」という想いでたくさん寄付いただきました。

そして車いっぱいになるほどに集まったのです。1日で。とってもありがたいこと。でも、正直言うと、これだけでも仕分けがとっても大変でした。ひとりではとても無理で、耳つぼシールを自宅に寄付に来てくれたゆゆた工房の鷲見未織さんがほとんどの仕分け作業をしてくれて助かりました。

いろいろな袋に入っている物資を出して、分けて、使いやすいようにまとめるのは、これは、避難生活を送りながらやるのは確かに手が回らないのだと思います。皆さんの気持ちはありがたい。だから、とっても言いにくい。物資の寄付は難しいのだと今回痛感しました。

実際は町民の数は少ないのに対してものすごい数の物資がありました。次回からは本当に必要なものだけ、確認の上お渡ししたいです。今回は「日常生活にも使うものだけなら」と私の判断で声かけをしたので、上手につなげることができずかえって申し訳なかったのですが、気持ちを寄せて下さった皆さん、ありがとうございました。

避難所には物資がたくさんあったので、今回は個人的に知り合いに全てお渡しし、お友達のママさんたちにわけていただきました。(受け取ったママから帰りにお礼を言われました!)

時間差もあるのだと思いました。足りないものやボランティアなどの状況は刻一刻と変わる感じがします。厚真町・安平町・むかわ町ともにfacebookの公式ページで不足物資の情報などが出ています。何か支援をされたい方は確認されるといいと思います。

厚真町災害ボランティアセンター https://www.facebook.com/atsumavc/

厚真の景色はいつも通りの穏やかな場所もあり、全く変わってしまった場所もありました。いつもの道は通行止め。安平から行ったのですが、安平も道路に亀裂が入っていて、道路にコーンが置かれているところもありました。

朝到着したら子どもたちは芋ほりに出かけていて不在。スタードームの裏はハンモックあり、ロープあり、手作りブランコありで、いぶり自然学校の皆さんが子どもたちの遊び場を作っていました。

子どもたちと日々本気で遊んでお疲れだろうから、一緒に行ったミーナヨガ教室の十川先生にかっさをお願いしました。みおさんからいただいた耳つぼシールもかわいいキラキラつけました。緊張もしてるだろうし、少しでも身体が楽になれば。近くにいる知ってる大人には何人も耳つぼシール貼ってきました。

十川先生ひとりで大丈夫そうだったので、最初の避難所に置いたまま、私はもうひとつの避難所で子どもたちとアナログゲーム。あちこち回る予定でしたが、気づいたら夕方!徹底的に遊びました。

大人の頭にゲームの箱をいくつ乗せられるかっていう遊び。

帰ろうと思ったら、南区のカフェSUVACOのみきさんが大量の野菜スープとパンを持って到着。

月曜日にSUVACOに行った時、安平町や厚真町に何か作って持って行きたいと話をしていたけど、お互いちゃんと避難所の様子を確認して連絡を取って、同じ日の同じ時間に同じ場所で会うなんて。

写真はスープもおむつも受け入れしてくれたみさとちゃん&むすこちゃんと。朝、「ミーナさん!私HAPPYマーケットにお手伝いで出たことあります!」と声をかけられて、一気に頭の中でつながったのでした。

そんな感じの1日でした。

東日本大震災の時は、私何もしませんでした。東京おもちゃ美術館のおもちゃで支援する活動に寄付したくらい。なぜなら知り合いがいなくてイメージできなかったから。でも今回は自分とつながっている場所でした。大好きな厚真だから行ったのです。

今、札幌にいる人は報道を見て、家や人を失った人の悲しみに共感したり、節電で暗い街や、停電の影響で十分な品揃えではないスーパーや、余震に不安を感じたり、行こうと思えば行ける距離なのに行くことができない自分を責めたり、そんな不安定さを感じます。(札幌市内でも被害の大きかった地域にお住まいの方は本当に不安だと思います。)

でも、それぞれ自分にできることをするしかないんだと思います。朝着いてすぐ、「私外遊び苦手だから室内がいい」と、室内遊びに配置してもらいました。料理は苦手だから炊き出しもたぶんあんまりお役に立てない。でも子どもとゲームで遊ぶなら、この年齢なら、この人数なら、この子たちの関係性なら、慣れてきたからこれ、そろそろ疲れてきたからこれ、的確なゲームを選べます。

お金はないけど在庫ゲームの寄付はできます。むかわも安平も気になるけど、あちこちは行けない。

厚真の子どもたちのために、関わる大人に負担かけないで、無理ない日程で遊びに行く。これは私はそんなにむずかしくない。それぞれ自分の得意なことで、自分のできる範囲のことをすればそれでいい。

自然災害は仕方ない。でも、気持ちがあるなら、必要なところに、必要な支援ができるように調べたりするといいと思います。今住んでいるところで、一生懸命できることをするだけでもいいと思います。私も東日本大震災では何もしなかったけど、した方もたくさんいると思うし、継続されてる方もいます。今回は関わりたいから関わってます。

寄付したい方もたくさんいます。どこに寄付したら本当に必要な人のところへ届くか、それは後私も調べてシェアしたいなと思ってます。

明日はNPO白老お助けネットさんでスタッフ研修をさせていただきます。午後からまた厚真へ。遊びながら、次のニーズが知りたいです。

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