W受験の夏休み 〜子育てで大切にしてきた3つのこと〜

長男高校3年、次男中学3年の夏休みです。長男は1日のほとんどを予備校の自習室で過ごし、次男は個別指導の塾と自習室へほぼ毎日行っています。とはいえ昨日はふたりで一緒に映画「天気の子」を観に行ったりして、息抜きもしているようです。

必要なサポートはしますが、「勉強しなさい」とはほとんど言わずにきました。勉強するのもしないのも、その結果を引き受けるのも本人の人生。親にできるのは塾に行きたいと言った時に塾代を出すことくらいだと思っているからです。

長男が夏期講習に申し込んだのは、その期間自習室が使えるから。講習の受講は全く魅力と映っていません。

自分で調べてこれだと思った参考書は「買ってほしい」と言いに来ます。一緒に買いに行くと、科目別に買うものがはっきりしていて、書店で事前に下見してから言いに来ているのですぐ終わります。友だちに勧められたスマホのアプリ「スタディサプリ」を契約したいといいにきて、今はそのふたつをベースに自分のペースで自習室で勉強を進めています。長期休みは昼夜逆転しがちでしたが、それがわかっているから自分でも生活リズムに気を付けて過ごし、「今日は勉強しない。でも単語だけはやる」とバランスを取ったりしています。問題集が全て終わると問題集追加の希望。自分で勉強方法を考えて、自分で教材を選んで、自習室で問題集を終わらせています。

こちらは毎日持ち歩いてボロボロになってきた長男の単語帳。

子どもが手元から離れる日が近づき、自分のしてきた子育てを振り返っています。私が子育てで大事にしてきたことは3つです。

1.意欲

2.経験

3.自立

意欲さえ育っていれば、勉強は必要だと感じたらやるに違いないと思ってきました。なので、幼児期は意欲を大切にしながら徹底的に遊ばせてきました。森の幼稚園では「8時に寝かせて6時に起こす」「お弁当は毎日手作り」「習い事はさせない」「文字や数字は教えない」「テレビは見せない」「キャラクターものは洋服も含め持ってこない」などたくさんの決まりがありました。大人が試されました。でも頑張ってよかったです。幼児期の子どもの生活や身体を守ってあげることができました。それは子どもの心身の基盤になっています。

さくらさくらんぼ保育で、心と体をしっかり育ててもらいました。年長になると側転、竹馬、逆上がり、こま、戸板越えなどたくさんの課題を乗り越えていきます。側転ができて楽しくて、スーパーで買い物中に振り向いたら次男が側転してたことがありました。驚きました。

戸板越えは、子どもの身長よりずっと高い板に助走して手をかけてジャンプします。すごい勇気!!

大人数名で子どもの重さを支えながら、大人もみんな本気になって子どもの頑張りを応援します。

自宅ではヨーロッパのおもちゃや伝承遊びなど様々なおもちゃで遊んできました。シンプルなおもちゃばかりなので、組み合わせたり考えたりして、面白いものをたくさん作りだしてきました。作ったら、それを使って遊ぶ姿もまた生き生きとしていました。

これはベルギーのブロック「クリックス」。はじめ3000円の小さなセットを買って、作品を作ってコンテストに出したら次男が入賞して1万円分のセットが届いて、翌月長男の作品が入賞して1万円分のセットが届いて、大きな作品ができる量に増えました。

おもちゃじゃないものでもよく遊びました。これは我が家の洗濯物干しです。信じられないくらい器用に乗って歩いていました。

テレビで「サスケ」を観て、1階のはじから2階のはじまで床に足をつかずに行けるかチャレンジし、次男が2階のドアに指を挟んで泣いて強制終了、の時の2階へ向かう図。この後災難に見舞われるとも知らずに・・・・。

2番目は経験。子ども劇場で年間4回人形劇や舞台、音楽会、マジックショーを見せたり、異年齢での関わりを大事にしてきました。スキーはふたりとも上手だし、テント立てられるし、火起こしもできるし、ゲームの説明もかなりの数できます。

あと、赤ちゃんの時からたくさん触れて育てました。オイルをつけての全身ベビマも、小学校低学年くらいまではやりました。「赤ちゃんからたくさんベビマしてきたけど、何がよかった?」と聞いた時、次男が「触られるのがやじゃない」と返事して、はじめは意味がわかりませんでしたが、触れることの心地よさを体感してくれたなら、それは大切なことを伝えられたと思いました!

あと、問い合わせもよくさせました。欲しいおもちゃがお店にあるか知りたかったらお店に電話して聞いたり、自分でできることはなるべく自分で。もちろん近くで教えたり見守ったり、困った時にすぐ力になれるようにしながら、です。

キャンプは雨も多かったけど、森の幼稚園もお天気関係なく外に出てたから、何ということはなし。

3つめは自立。時間やお金は自分の判断で使えるようになってほしいと思い、小さいうちに小さい失敗と改善をさせて見守って来ました。小学生のうちは、お小遣いの1割は人のために使う(寄付とかプレゼントとか)、4割は貯金、半分は使っていいよとして、お金の使い方はいろいろあることを伝えてきました。人のためのお金で難病の子に寄付をしたり、幼稚園の改修のために、貯めた500円を寄付したり(先生が超感激してました!)、お年玉を豪勢に使い小遣い帳に「つかいすぎた」と書いてあったり、おまつりで散財して「あれは当たらない」と学んだり、お金の経験を重ねてきました。

お金が足りなくなるとお手伝いをしてお小遣いをもらったり、使わなくなったものを売りに行ったりして工夫するようになり、今は好きなアーティストのライブに行ったり、映画を観に行ったりしています。

お手伝いも大事にしてきました。「一緒に住んでいて大人はお仕事してきてるんだから、あなたたちも自分にできることしてください」という姿勢でお願いしてきました。はじめは上手にできませんが、だんだん上手になるし、関わること、慣れることに意義があります。

今は家の洗濯物は全て次男が洗ってたたんでしまってくれていて、大分楽です。お手伝いは家族の一員として当たり前のため、お小遣いとは連動していません。

家を出る時に何が身についていたらいいか、そのために今できることは何か、をいつも考えてきました。

ということで、その時期その時期に子どもの意欲・経験・自立を大切にしてきました。

長男は中学では運動部でしたが、高校に入ってからギター部に入部し、部活以外に友達とバンドを組んで学祭で演奏してきました。3年になり自分で考えて、バンドと勉強に集中するため部活をやめましたが、最後の定期演奏会を観に行き、みんなと同じ気持ちで一区切りつけることができていました。

長男が中3だった時に一緒に学祭に行き、バンド演奏はありましたがこんなに盛り上がってはいませんでした。「やりたい」と友達を誘って手続きを踏んでこんなにもたくさんの人が楽しめる場を作れて本当によかったと思います。

バンドメンバーのご両親に会うと、長男にも、私にも、「誘ってくれてありがとう」と皆さん言ってくださいます。

次男は小2からキーパーとしてサッカーを続けてきました。中3最後の中体連直前に手を骨折し、お医者さんに、試合に出るのは絶対だめと言われ、第一試合も第二試合も、ギプスでベンチでした。

試合に出ることはできませんでしたが、仲間と一緒に充実した最終試合を迎えることができたのはよかったです。

そんな時間を経ての受験。

ふたりとも高めの目標を掲げ、実現に向けて邁進しています。

長男は第一志望の現在通っている高校に受かった時、「やる気のない子ってかわいそう」と言いました。自分より成績がいいのに担任の先生や親や塾の先生に言われて志望校を下げた同級生がたくさんいたようなのです。やる気だけではない事情もあると思いますが、大人の言葉が子どもの意思と違う方向へと進めているのではないかなと思うことは確かにあります。遊びの場面でも、子どもがやりたいことができないほどに口出しする保護者の方を時々見かけます。でもそれはきっと愛情だと思います。愛情が、子どものやりたいことをやれなくしてることもあるような気がしています。

長男は担任の先生に志望校3校全て変えるようにと言われ、「ここがなかったとしたら?」と第一志望を手で隠され、しかし絶対受けると強い意志で全て志望校を変えず、全て受かりました。受けなければ絶対に受かることはありません。「全部落ちたら定時制か、あるか確実ではない二次募集、それでもいいです」と覚悟を決めて受験したから今があるのです。

義務教育に比べ、高校生になると退学していく子が多くてびっくりします。せっかく受かったのに入学式しか来ないでやめたり、1年生、2年生、3年生、どの段階でも退学者がいるようなのです。いろんな理由があると思いますが、何かあった時にそれを乗り越える「生きる力」が必要だと痛感します。

「生きる力」を身に付けるのは幼児期から始まっています。親子の信頼関係を作ること、「どっちにする?」など小さなことから「自分で決める」練習をすること、自分で考え、やってみて、その責任を引き受けること。みんな遊びの中でできることです。

抱っこしたり、絵本を読んだり、話を聞いたり、一緒に出掛けたり、おもちゃやカードゲームで遊んだり、「大好き、生まれてきてくれてありがとう」と伝えたり、子どもが小さいうちはやれることがたくさんあります。忙しいし面倒だけど、大事なことは面倒の中にあります。小さな時の手間を引き受けなかったら、成長してからの手間はあまりにも大きいです。

思春期になるとやれることが少なくなります。そして、思っているより早くその時はやってきます。

1日15分、スマホや家事や他のことは全てやらないで「子どもと関わる時間」を作ってみてください。私もやってました。ベビマでも、絵本でも、パズルでも、お話聞くでも、カードゲームでも何でもいいです。毎日できなくても、心がけていたらいいです。

「今は自分にしっかり向き合ってくれてる」と子どもはちゃんとわかります。毎日忙しくてつい気もそぞろに子どもと関わってしまいますが、ただただ子どもと同じ時間を過ごすと子どもはちゃんと満足します。そして、何より自分が癒されるのです。ぜひやってみてください。

仕事はいつでもできるし、自分の時間もいくらでもできますが、子どもが小さかったあの時だけはもう戻って来ません。まだ可愛い子どもがいるママにはぜひ今の幸せを大切にしてほしいです。

そして、幼児期の子どもにスマホは与えないでください。必要ないです。子どもには暇な時間が大事です。慌てて安易な楽しみを与えないで、暇を味わわせてあげてください。そのうちなんか工夫します。子どもを信じてください。簡単に楽しみを与えてしまうと、受け身の姿勢がくせになります。

そして、私は勉強も必要ないと思っています。幼児に勉強を教えたら、できます。でも意味のないことです。何に使うのでしょうか。

子どもへの愛情はみんなあります。子どもが生きていくために本当に必要な力をつけるための年齢に合わせた関わりをしていってほしいと切に願っています。

お子さんは、生き生きとしてますか?私は、子どもが生き生きとしているかどうかが基準だと思ってます。いい目をしてますか?楽しそうですか?

長男はいつも、「あ!!いいこと思いついた!」と言って、すぐになんか始めてました。それは、テレビをつけず、スマホもなく、暇だから思いついたことです。それが今の「自分で考え、自分で行動し、結果を引き受ける」姿勢につながっています。

ちいさな頃は、暇だからふたりでよくお散歩にでかけてました。小学生の頃は自転車でちょっと遠くの公園にも行ってました。ある日お土産持って来てくれました。昨日のことのようですが、もう10年以上も前のことです。

可愛かったふたりはすっかり大きくなりました。今年のW受験はどうなるでしょうか。

受験は子どもを強くします。本気で取り組んだ時間は絶対に本人の力になります。

思春期になると、親にしてあげられることは本当にごはんを作ることと、お金を出すことと、話を聞くくらいです。

やれることは少ないけれど、ふたりの頑張りを見守っていきたいと思います!

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